各発電方式による発電コストを比較

no

前回の記事では日本の脱原発論争の非現実性について簡単に私見を述べたが、今回は具体的に各発電方式によるエネルギーがどれだけのコストで生み出されているのか?について考えてみたい。

当然だがエネルギーを生み出すためには様々なコストがかかっている。発電所の建設費や発電に携わる人たちの人件費、発電に使用する燃料のコストなどである。それらにどれだけのコストがかかっているのか?を見てみよう。数字は2011年度の経済産業省作成による「エネルギー白書」より引用することにする。なお各発電方式の発電単価は電力1kWhを発電するために必要なコストである。

まず現在の発電の主力をになう火力発電をみてみる。火力と行っても石油を使用する場合と天然ガスを使用する場合で異なる。石油を使用した場合の発電コストは36~37.6円であるという。一方液化天然ガス(LNG)による火力発電では10.7~11.1円とコストは3分の1以下に抑えられている。

次に水力発電を見てみよう。こちらは10.6円となっている。LNGによる火力発電とほぼ同等である。ただしこちらは火を燃やさないため二酸化炭素を生み出さないという目に見えないが重要なメリットがあることを忘れてはならないだろう。

お次はここのところ話題の太陽光発電。個人でも発電施設を持ち国に電気を買い取ってもらえる制度が始まり、注目を集めているが発電コストはどうなっているのだろう?実は太陽光発電(住宅用)は33.4~38.3円と石油による火力発電並のコストがかかってしまうのだという。

クリーンエネルギーではあるが、発電コストが高すぎるため、このままでは主力の発電方式として普及させるのは困難に思われる。

最後に原子力発電を紹介する。8.9円である。ここで紹介したどの発電方式よりもコストが安いことが分かる。しかも、このコストには、原発で万が一事故が起きた場合の補償や復旧費用も5兆円上乗せして算出された数字である。

実際原発で深刻な事故が起きた場合、その被害額が5兆円で済むのか?という問題もあるため一概には言えないが、他の発電方式が抱える弱点と比較してみるとやはり原子力発電の長所が浮き彫りになってくる。

それは「二酸化炭素の排出が少ない」ということと「大量のエネルギーが作れる」ことだ。

水力発電のコストが安くクリーンなエネルギーだと言っても、水力だけで全ての電力を生み出すのは不可能である。もし可能ならとっくにそうなっているはずだ。実際には水力発電は全体の9%にすぎないというデータがあるので、水力は今後も発電方式の主役にはなりえない。

となると何が残るのだろう?コストがバカ高くしかも発電効率が悪く、発電量も天候に左右される太陽光発電か?それとも2酸化炭素を排出しまくり地球温暖化に害をなす火力発電か?それとも原子力か?もしくは今はまだ候補にすら上がってこない新しい発電方法がこの世の中を救ってくれるのだろうか?

私たちが生きていく上で欠かすことのできないエネルギーをどうやったら安全かつ安価に利用できるのか?考え続けていく必要がある問題である。

コメント

この記事へのコメントはありません。

コメントする


※メールアドレスは公開されません。